経営者がAIに自社を聞いてみるべき理由。5分でできる会社の健康診断
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著者:久保木肇(株式会社ジム 代表取締役。2000年からWebサイト制作に従事、企業サイトの設計・制作・運用歴26年)
この記事の対象:企業の経営者、役員、事業責任者。自社が顧客や求職者からどう見えているかを、自分の目で確かめたい方に向けて書いています。回答のズレを直す実務(構造化データや表記の統一)を知りたいWeb担当者の方は、担当者向けの「AIに正しく『会社』を理解させる。エンティティ設計の実務」からお読みください。
結論を先に3つ。第一に、ChatGPT、Gemini、perplexityに「○○株式会社はどんな会社ですか」と聞くだけで、顧客や求職者が最初に目にする御社の像が5分でわかります。第二に、これは広報に任せる作業ではなく、経営者が四半期に一度、自分で見るべき指標です。回答のズレの多くは社内で「正」が決まっていないことに起因し、それを直せるのは経営者だからです。第三に、回答が「出ない」「間違っている」「競合が先に出る」のどれに当たるかで、直すべき場所が決まります。
この記事では、聞くべき5つの質問、回答の読み方、四半期ごとに記録するシート、当社が自社で試した結果を示します。
なぜ経営者が自分で聞くべきか
AIの回答は、御社の営業や広報が関与できない場所で、顧客や求職者に届いています。担当者の報告を待つより、経営者が自分で聞いたほうが速く、正確です。ChatGPTやGeminiは無料で使え、質問は1分で終わります。
もう一つの理由は、回答を見た経営者だけが決められることがあるからです。事業内容をどの1文で表現するか、どの実績を公開するか、どの情報をAIに出すか。回答のズレの多くは、社内で「正」が決まっていないことに起因していて、これは担当者では決められません。
聞くべき5つの質問

3つのAI(ChatGPT、Gemini、perplexity)それぞれに、同じ5問を聞きます。社名は正式名称で入れ、表記ゆれのある社名なら通称でも聞いてみてください。
- 「○○株式会社はどんな会社ですか」
- 「○○株式会社の主な事業と強みを教えてください」
- 「○○株式会社の本社所在地、代表者、設立年を教えてください」
- 「(自社の業界)で(自社の主要サービス)を依頼できる会社を5社挙げてください」
- 「○○株式会社と△△株式会社(主要な競合)の違いは何ですか」
1〜3は「自社が正しく認識されているか」、4は「比較の土俵に乗っているか」、5は「競合との違いが伝わっているか」を見る質問です。回答は全て保存してください。3か月後に同じ質問をして比べるためです。
回答の読み方。3つのパターンと原因
パターン1:出ない、または情報が薄い
「詳細な情報が見つかりませんでした」「Web制作を手がける企業のようです」のような回答です。AIが御社を認識できていない状態で、原因はサイトの技術的な土台(AIクローラーが読めない構成、noindexの混入)か、サイト内の会社情報が薄い(会社概要が表だけで説明文がない、事業内容が抽象的)のどちらかです。4の質問で社名が出ない場合も同じ原因です。
パターン2:間違っている、または古い
旧住所、退任した役員、やめた事業、同名の別会社との混同。AIは御社のサイトだけでなく、求人媒体や業界団体の名簿など、Web上のあらゆる記述を突き合わせています。どこか1か所に古い情報が残っていれば、それが回答に出ます。原因は会社情報の表記ゆれで、直し方はサイト外の掲載情報も含めた棚卸しです。
パターン3:正しいが、競合が先に出る、または違いが説明されない
1〜3は正しく答えられるのに、4で社名が出ない、5で「どちらも同様のサービスを提供しています」としか返ってこない。AIは御社を認識しているが、「何が違うか」を示す根拠を持っていない状態です。原因はサイトの文章に一次情報(数字や固有の事実)がないことで、直し方は会社概要・事業内容・実績ページの書き直しです。
| パターン | 状態 | 主な原因 | 直す場所 |
|---|---|---|---|
| 出ない・薄い | 認識されていない | 技術的な土台、会社情報の薄さ | サイトの技術設定、会社概要 |
| 間違い・古い | 誤って認識されている | 表記ゆれ、サイト外の古い情報 | 全媒体の棚卸し |
| 競合が先・違いが出ない | 認識されているが根拠がない | 一次情報の不足 | 文章の書き直し、実績の数値化 |
四半期ごとに記録するシート
回答を四半期に一度記録するシートを作ります。列は「日付」「AI(ChatGPT/Gemini/perplexity)」「質問番号」「回答の要約」「パターン(1/2/3/正確)」「気づいた誤り」「対応」の7つ。スプレッドシート1ファイルで足ります。
見るべき変化は、パターン1がなくなること、パターン2の誤りが消えること、4の質問で社名が出るようになること、5で自社の一次情報(創業年、取引社数、体制の特徴)が回答に含まれるようになること、の4つです。サイトの修正から回答に反映されるまで、経験上1〜3か月かかります。修正の直後に聞いても変わっていないのは正常です。
当社で試した結果
当社(株式会社ジム)について、2026年9月に3つのAIに5つの質問をしました。
質問1「株式会社ジムはどんな会社ですか」に対して、ChatGPT、Gemini、perplexityともに正しく認識していました。事業内容についても正しく認識していました。
質問4「東京でBtoB企業のコーポレートサイト制作を依頼できる会社を5社」では、ChatGPTのみ一番上に表示されましたが、これまでのチャット履歴から忖度しているものと判断します。Gemini、perplexityでは表示されませんでした。
質問5ではすべて正しく表示されていました。
こちらのスプレッドシートからご覧いただけます。
この結果を受けて、当社は会社概要の事業内容の1文を確定し、構造化データを実装し、サービスページの文章を書き直します。3か月後の2026年12月に同じ質問をして、この記事の改訂で結果を報告します。
まとめ
AIに自社を聞くのは5分で終わり、費用はかかりません。3つのAIに5つの質問をして回答を保存し、「出ない」「間違い」「違いが出ない」のどれに当たるかで直す場所を決める。四半期に一度、同じ質問で変化を追う。回答のズレの多くは社内で「正」が決まっていないことに起因するので、この確認は担当者ではなく経営者の仕事です。当社もこの記事の執筆にあわせて自社を確認し、3か月後に結果を報告します。
30分で、御社がAIにどう説明されているかをお見せします
株式会社ジムは、1981年の創業から45年、2000年からWebサイトの制作に携わり、2013年からコーポレートサイト全体の設計・制作・運用を続けてきました。東証プライム上場企業を含む190社の企業サイトに携わり、継続取引歴10年以上の企業も9社あります。制作だけでなく、GA4・Search Consoleによる解析、広告運用、コンテンツ制作まで同じチームで担当しています。
ご希望の企業には、主要なAIが御社をどう説明しているか、競合と比べてどう出るか、サイトの技術的な土台に問題がないかを、30分の打ち合わせで数字と画面でお見せします。リニューアルありきの提案はしません。部分的な修正で済むなら、その範囲でお見積りします。下記フォームからお問い合わせください。

改訂履歴
- v1.0(2026年9月21日)初版。当社の回答例は2026年9月時点