AI経由の流入をどう計測するか。GA4「AI Assistant」チャネルとカスタムチャネルの設定手順
目次
著者:久保木肇(株式会社ジム 代表取締役。2000年からWebサイト制作に従事、企業サイトの設計・制作・運用歴26年)
GA4は2026年5月から、ChatGPTやGeminiなど生成AIからの流入を「AI Assistant」という標準チャネルに自動で分類するようになりました。設定なしで、AI経由のセッション数がレポートに出ます。ただし過去のデータは遡って分類されず、認識されるAIサービスの一覧も公開されていません。前年同月比や長期の推移を見たい場合は、従来どおりカスタムチャネルグループを自分で作る必要があります。この記事は、コーポレートサイトのGA4を自分で見ている広報・マーケティング担当者に向けて、標準チャネルで見えること・見えないこと、カスタムチャネルの設定手順、月次で追うべき指標を、当社サイト(gym-ts.com)の12か月の実データとあわせて解説します。
用語の定義
この記事では次のように使います。
参照元(ソース)とは、訪問者が直前にいたサイトのドメインです。ChatGPTから来た訪問なら「chatgpt.com」が入ります。メディアは流入の種類で、検索なら「organic」、他サイトのリンクなら「referral」です。チャネルグループは、参照元とメディアの組み合わせをGA4が「Organic Search」「Referral」「Direct」などの名前でまとめたものです。標準のまとめ方をデフォルトチャネルグループ、自分で定義したものをカスタムチャネルグループと呼びます。
リファラーとは、ブラウザが「どのページから来たか」を送る情報です。GA4の参照元はこれをもとに決まるので、リファラーが送られない訪問(アプリ内ブラウザ、URLのコピー&ペーストなど)は、どこから来たかわからず「Direct」に入ります。
2026年5月以降、GA4はAI経由の流入を自動で分類する

GA4は2026年5月13日の更新で、AIアシスタントからの訪問に「ai-assistant」というメディアを自動で付け、デフォルトチャネルグループに「AI Assistant」チャネルを追加しました。Googleが例として挙げているのはChatGPT、Gemini、Claudeで、認識するサービスの全一覧は公開されていません。設定は不要で、トラフィック獲得レポートの「セッションのデフォルトチャネルグループ」に「AI Assistant」の行が現れます。
当社サイトでの反映状況を確認しました。2026年6月14日までのGemini経由のセッションはすべて「gemini.google.com / referral」で、6月15日以降はすべて「gemini.google.com / ai-assistant」に変わっています。発表から反映まで約1か月のずれがあり、この時期は各プロパティで異なる可能性があります。6月15日から9月20日までの「AI Assistant」チャネルは14セッション(全体の0.28%)で、内訳はGemini 8、ChatGPT 4、Perplexity 2でした。Googleの例示にないPerplexityも、当社のデータでは「perplexity.ai / ai-assistant」として分類されています。
標準チャネルだけでは足りない3つの理由

自動分類は便利ですが、コーポレートサイトの効果測定には3つの穴があります。
1つ目は、過去のデータが遡って分類されないことです。当社の場合、2025年9月から2026年6月14日までのAI経由99セッションは、今も「Referral」の中に埋まっています。「前年同月と比べてAI経由は増えたか」を見るには、過去分も含めて分類し直す仕組みが要ります。
2つ目は、認識リストが非公開なことです。新しいAIサービスが出たとき、GA4がそれを「AI Assistant」に入れるかどうかは、出てみないとわかりません。自分でドメインを指定するカスタムチャネルなら、追加したいものを追加できます。
3つ目は、リファラーが付かない訪問はどの方法でも捕まえられないことです。スマートフォンのアプリからサイトを開いた場合や、AIの回答に出たURLをコピーして開いた場合は「Direct」に入り、AI経由だったことはわかりません。実際のAI経由の流入は、レポートの数字より多いと考えてください。
加えて、GoogleのAI OverviewsやAIモードからのクリックは、通常の検索結果のクリックと同じ「google / organic」として記録されます。Googleはこれを分離する方法を提供していないので、「AI Overviews経由」だけを取り出すことは現時点ではできません。
カスタムチャネルグループの設定手順
過去データも含めてAI経由を一貫して見るために、カスタムチャネルグループを作ります。カスタムチャネルグループは作成後、過去のデータにも遡って適用されます。標準のプロパティでは2つまで、1グループに50チャネルまで作れます。
- GA4の「管理」を開き、「データの表示」の中の「チャネルグループ」を選ぶ
- 「新しいチャネルグループの作成」を押す。ゼロから作るより、デフォルトチャネルグループをコピーして「AI」を1つ足す方が、他のチャネルの定義が崩れないので安全です
- 「新しいチャネルの追加」を押し、チャネル名を「AI」にする
- 「条件グループを追加」で条件を2つ、「または」でつなぐ
- 条件A:セッションの参照元 が 正規表現に一致 で、下の正規表現を入れる
- 条件B:セッションのメディア が 完全一致 で「ai-assistant」
- チャネルを保存したら「並べ替え」で、「AI」を「Referral」と「Organic Search」より上に置く。条件は上から順に評価されるので、下にあるとReferralに先に取られます
- 「グループを保存」する
条件Aに入れる正規表現の例です。
chatgpt\.com|chat\.openai\.com|gemini\.google\.com|perplexity|claude\.ai|copilot\.microsoft\.com|bing\.com/chat|grok\.com|x\.ai|you\.com|meta\.ai|mistral\.ai|deepseek|felo\.ai|genspark
Perplexityを「perplexity」だけにしているのは、当社のデータに「perplexity.ai」のほかに参照元が「perplexity」だけのセッションが4件あったためです。ドメインを厳密に書くと、こうした表記ゆれを取りこぼします。一覧は2026年9月時点のもので、新しいサービスが出たら足してください。四半期に一度、「Referral」の参照元一覧を見て、AIらしいドメインが紛れていないか確認する運用にしておくと漏れが減ります。
条件Bを入れる理由は、GA4が今後「ai-assistant」メディアの認識対象を増やしたとき、正規表現に書いていないサービスも自動で拾えるようにするためです。AとBの両方を入れておけば、過去分は正規表現で、今後の分はGA4の判定でも拾えます。
レポートでの見方
トラフィック獲得レポートを開き、表の左上のディメンション「セッションのデフォルトチャネルグループ」をクリックして、作ったカスタムチャネルグループに切り替えます。「AI」の行にセッション数、エンゲージメント率、キーイベントが並びます。
月次の推移を見るには「探索」で自由形式レポートを作り、行に「月」、列にカスタムチャネルグループ、値に「セッション」を置きます。期間を13か月にすると、前年同月と並べて見られます。
キーイベントの列は、初期状態では「すべてのイベント」の合計になっています。列見出しの「すべてのイベント」を押して「問い合わせ完了」など見たいイベント1つに絞ってください。理由は次の章で説明します。
当社サイトの12か月実データ
2025年9月から2026年9月20日までの、AI経由セッションの月別推移です。参照元ベースで集計しています(GA4の分類変更前後を通して同じ基準で数えるため)。
| 月 | Gemini | ChatGPT | Perplexity | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年9月 | 2 | 5 | 3 | 10 |
| 10月 | 0 | 10 | 7 | 17 |
| 11月 | 0 | 2 | 2 | 4 |
| 12月 | 5 | 2 | 0 | 7 |
| 2026年1月 | 2 | 1 | 1 | 4 |
| 2月 | 5 | 2 | 1 | 8 |
| 3月 | 5 | 7 | 0 | 12 |
| 4月 | 12 | 1 | 1 | 14 |
| 5月 | 17 | 4 | 0 | 21 |
| 6月 | 7 | 1 | 0 | 8 |
| 7月 | 0 | 2 | 0 | 2 |
| 8月 | 3 | 0 | 2 | 5 |
| 9月(20日まで) | 0 | 1 | 0 | 1 |
12か月(2025年9月〜2026年8月)の合計は112セッション、これにClaude 1件を加えて113、全体18,275セッションの0.6%です。
この表から言えることは3つです。月ごとの数は2件から21件まで振れ幅が大きく、1か月の増減で判断すると間違えます。四半期単位か、3か月移動平均で見るのが現実的です。2026年3月から5月にかけてはGeminiを中心に増え、6月以降は減っています。原因は特定できていません。AI側が回答に使う参照元を変えた、Geminiのリファラー送信の仕様が変わった、といった可能性がありますが、GA4のデータだけでは切り分けられないので、断定はしません。そして、この規模の会社サイトではAI経由はまだ全体の1%未満です。ここで一喜一憂するより、計測の土台を作って半年、1年と定点で追うことに意味があります。
計測の定義を先に確認する
AI経由の数字を出す前に、「何を成果として数えているか」を確認してください。GA4のレポートに出る「キーイベント」の列は、初期状態では登録されているキーイベントすべての合計です。問い合わせ完了と、資料ダウンロードと、広告連携で自動登録されたイベントが、区別なく足し合わされています。この合計を「問い合わせ数」として読むと、実態と桁が違う数字になります。
当社サイトで確認したところ、キーイベントには4つのイベントが登録されていました。問い合わせ完了、採用LPの問い合わせ完了、purchase、そしてGoogle広告から連携されたコンバージョンイベントです。このうち広告連携のイベントは設定の不備でほぼ全セッションで発火しており、2026年6月15日から9月20日の3か月で、5,030セッションに対して5,345回記録されていました。この状態で「AI Assistantチャネルのキーイベント」を見ると14件と出ますが、「問い合わせ完了」だけに絞ると0件です。合計のまま読んでいたら、AI経由で問い合わせが来ていると誤解していたところでした。
対策は2つです。GA4のレポートで「キーイベント」の列を見るときは、列見出しの「すべてのイベント」を押して、問い合わせ完了など見たいイベント1つに切り替える。そして月に一度はキーイベントの一覧(管理 → データの表示 → イベント → キーイベント)を開き、意図しないイベントが混ざっていないか、広告やタグの連携で自動追加されたものがないかを確認する。計測の穴は、数字を人に見せた後に見つけると一番高くつきます。
Search Consoleで指名検索を追う
AI経由の効果は、サイトへの直接流入だけでは測れません。AIの回答で社名を見た人は、リンクをクリックせず、あとでGoogleで社名を検索することが多い。だから「指名検索の表示回数」を、AI経由流入とセットで定点観測します。
Search Consoleの「検索パフォーマンス」を開き、「クエリ」でフィルタを追加します。フィルタの種類を「カスタム(正規表現)」にして、社名とサービス名の表記ゆれをまとめて指定します。当社なら「株式会社ジム|gym-ts|ジム 神楽坂」のように書きます。当社の場合、「ジム」単体はフィットネスジムの検索と混ざるので、社名単体では使えず、「株式会社」や地名との組み合わせで絞る必要があります。社名が一般名詞と重なる会社は、同じ工夫が要ります。
見る指標は「表示回数」です。クリック数より先に表示回数が動きます。期間比較を「前年同期」にして、月に一度、AI経由セッションと同じシートに並べて記録します。
月次で追う最小セット
| 指標 | 見る場所 | 頻度 | 何がわかるか |
|---|---|---|---|
| AIチャネルのセッション数 | GA4 トラフィック獲得(カスタムチャネル) | 月次 | AI経由の直接流入の量 |
| AIチャネルの問い合わせ完了 | 同上、キーイベントを1つに絞る | 月次 | AI経由の訪問が行動につながったか |
| 指名クエリの表示回数 | Search Console 検索パフォーマンス | 月次 | AI回答で社名を見た人の再検索 |
| Referralの参照元一覧 | GA4 トラフィック獲得(参照元) | 四半期 | 正規表現に足すべき新しいAIサービス |
| キーイベントの一覧 | GA4 管理 → イベント | 月次 | 意図しないキーイベントの混入 |
この5つを1枚のスプレッドシートに月ごとに記録していけば、半年後には「AI経由が増えているか」「増えた分が問い合わせになっているか」に、自社の数字で答えられます。
まとめ
GA4の「AI Assistant」チャネルで、AI経由の流入は設定なしで見えるようになりました。ただし過去分は遡らず、認識対象は非公開で、リファラーのない訪問は捕まえられません。長期で見るならカスタムチャネルグループを作り、参照元の正規表現と「ai-assistant」メディアの両方を条件に入れておく。数字は月次の振れが大きいので四半期で見る。キーイベントは1つに絞って見る。指名検索の表示回数をセットで追う。当社サイトのAI経由は12か月で113セッション、全体の0.6%とまだ小さい数字ですが、計測の土台があるからこそ、増えたときに「何が効いたか」を語れます。
コーポレートサイトの見直しを、株式会社ジムに相談しませんか
この記事の設定は、GA4の管理権限があれば30分で終わります。ただ、キーイベントの混入のように、自社で毎日見ている画面ほど異常に気づきにくいものです。当社自身がそうでした。
株式会社ジムは、1981年の創業から45年、2000年からWebサイトの制作に携わり、2013年からコーポレートサイト全体の設計・制作・運用を続けてきました。東証プライム上場企業を含む190社の企業サイトに携わり、継続取引歴10年以上の企業も9社あります。制作だけでなく、GA4・Search Consoleによる解析、広告運用、コンテンツ制作まで同じチームで担当しているため、「作って終わり」ではなく「作った後に選ばれ続ける」ところまで伴走できます。
「GA4の設定が正しいか見てほしい」「AI経由の流入が来ているか知りたい」といった部分的なご相談も歓迎です。下記フォームからお問い合わせください。

改訂履歴
- v1.0(2026年9月21日)初版。計測データはGA4(gym-ts.com、2025年9月1日〜2026年9月20日)。GA4の仕様はGoogleアナリティクスヘルプ「Google アナリティクスの新機能」2026年5月13日の項、および「カスタムチャネルグループ」の項に基づく