「自社のサービスや商品は専門性が高く、テキストだけでは魅力が伝わりきらない…」
「WebサイトやSNSで公開する情報が、思うようにユーザーに届いていない…」
「もっと効果的に、ユーザーの記憶に残るコンテンツを作りたい」
企業の広報やマーケティングをご担当されている方であれば、一度はこのような課題に直面したことが多いのではないでしょうか。
情報が溢れる現代において、長文のテキストや複雑なデータは、読まれる前に離脱されてしまうことも少なくありません。
その有力な解決策となるのが、今回ご紹介する「インフォグラフィック動画」です。
この記事では、企業のコンテンツマーケティングを新たなステージへと引き上げるインフォグラフィック動画について、その基礎知識から、具体的な作り方、制作会社の選び方、費用相場まで、私たち制作のプロが網羅的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、インフォグラフィック動画を自社で活用するための具体的な道筋を把握できるようになっているはずです。
インフォグラフィック動画とは?基本を徹底解説
まずはじめに、「インフォグラフィック動画とは何か」を正確に理解しましょう。これは、「インフォグラフィック」と「動画」という2つの要素を組み合わせた言葉です。
インフォグラフィックの定義
インフォグラフィック(Infographic)とは、インフォメーション(Information)とグラフィック(Graphic)を組み合わせた造語です。言葉の通り、データ、情報、知識といった複雑な内容を、図やイラスト、グラフ、チャートなどを用いて視覚的に分かりやすく表現する手法を指します。テキストだけでは理解に時間がかかる情報も、インフォグラフィックにすることで、直感的かつ短時間での理解を促すことができます。
インフォグラフィックと「動画」を組み合わせる相乗効果
この強力な表現手法であるインフォグラフィックに、「動画」の要素、つまり動き(アニメーション)、時間軸、音(ナレーションやBGM)を加えたものが「インフォグラフィック動画」です。
静止画が「情報の地図」だとすれば、インフォグラフィック動画は「ガイド付きのツアー」に例えられます。視聴者はただ情報を眺めるだけでなく、作り手が意図した順番とタイミングで、ストーリーとして情報を体験することができるのです。この相乗効果により、静止画だけでは実現が難しい、以下のようなメリットが期待できます。
●ストーリーテリング
視聴者の興味を引きつけ、共感を呼び起こす物語を描ける。
●注意の喚起:
重要な点を動きで強調し、視聴者の視線を誘導できる。
●感情への訴求:
BGMや効果音といった演出で、動画全体の雰囲気を作り、感情に働きかける。
●複雑な関係性の表現
関連する要素を順番に登場させることで、原因と結果のような複雑な関係性も分かりやすく示せる。
テキストや実写動画との違い
コンテンツにはさまざまな形式がありますが、インフォグラフィック動画はそれぞれとどう違うのでしょうか。特に、目に見えないサービス、ITソリューション、金融商品、コンサルティングといった無形商材を解説する際に、その真価を最大限に発揮します。
比較項目 | テキスト | 実写動画 | インフォグラフィック動画 |
情報伝達の速さ | 遅い | 速い | 非常に速い |
複雑な概念の説明 | 難しい | 難しい場合がある | 非常に得意 |
抽象的な表現 | 難しい | 難しい | 得意 |
ブランディング | 表現しにくい | 出演者や場所に依存 | 世界観を自由に構築可能 |
修正の容易さ | 容易 | 困難(再撮影が必要) | 比較的容易(データ修正) |
コスト | 低 | 高 | 中〜高 |
なぜ今インフォグラフィック動画が注目されるのか?
インフォグラフィック動画は、単なる「分かりやすい動画」というだけでなく、現代のマーケティング環境において極めて戦略的な価値を持つため、多くの企業から注目を集めています。
1. 情報過多の時代と視覚情報の重要性
現代は、誰もがスマートフォンを持つ「情報爆発時代」です。このような環境下では、ユーザーは無意識に情報を取捨選択しており、少しでも「分かりにくい」と感じたコンテンツは瞬時に無視されてしまう傾向にあります。
一般的に、人間の脳はテキスト情報よりも視覚情報を効率的に処理できると考えられており、短時間で分かりやすくメッセージを届けたい企業にとって、動画は非常に有効な手段となり得ます。
2. SNSでの拡散力とエンゲージメントの高さ
InstagramやTikTokなど多くのSNSプラットフォームでは、動画コンテンツがアルゴリズム上で比較的有利に扱われやすいとされています。特にキャッチーで視覚的に分かりやすいインフォグラフィック動画は「いいね!」や「シェア」をされやすく、高い拡散力(バイラル性)が期待できます。
3. ブランディングにおける表現の自由度
インフォグラフィック動画は、イラストのテイスト、カラーリング、アニメーション、BGMなどを自由に組み合わせることで、企業が目指すブランドイメージを的確に表現できます。伝えたいメッセージだけでなく、「どのような企業であるか」という世界観までをコントロールし、視聴者に一貫したブランド体験を提供できるのです。
インフォグラフィック動画活用の7つのメリット
それでは、より具体的にインフォグラフィック動画を導入することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。マーケティング担当者として押さえておくべき7つの重要な点を解説します。
1. 複雑な情報やデータを瞬時に理解させるこれが最大のメリットの一つです。市場調査のレポートやサービスの導入プロセスなど、口頭で説明すると難解になりがちな情報を視覚的に整理することで、視聴者に分かりやすく伝わるきっかけを作ります。
2. 視聴者の記憶に残りやすいインフォグラフィック動画はストーリー仕立てで情報を展開するため、視聴者の感情に訴えかけ、より強い印象を残すことが期待できます。
3. 企業のブランディング向上に貢献する高品質で分かりやすいインフォグラフィック動画を継続的に公開することは、「顧客視点の親切な企業」というポジティブな印象を与え、顧客ロイヤリティの向上に繋がりやすくなります。
4. SNSでシェアされやすく、高い拡散効果が期待できる「なるほど!」と思えるような有益な情報は、視聴者が「他の人にも教えたい」という心理になりやすく、SNSでのシェアが活発に行われる傾向があります。
5. 言語の壁を超え、グローバルに情報を届けられるインフォグラフィックは視覚的表現が主となるため、言語への依存度が比較的低く、多言語展開との相性にも優れています。ナレーションや字幕を調整することで、海外市場にもスムーズに展開することが可能です。
6. コンバージョン率(CVR)の改善に繋がるWebサイトのサービスページなどに動画を設置することで、ユーザーの離脱率を防ぎ、商品やサービスへの理解を深める効果が期待できます。
7. 多様なメディアで横展開(ワンソース・マルチユース)できる一度制作したインフォグラフィック動画は、Webサイト、SNS、営業資料、展示会など、さまざまなシーンで使い分けることができます。
知っておくべきデメリットと注意点
多くのメリットがある一方で、制作する上では、いくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを事前に把握しておくことで、失敗のリスクを減らすことができます。
●制作に専門的なスキルとコストがかかる高品質な動画の内製は困難なことが多いため、外部の制作会社に依頼するのが一般的です。その場合、数十万円以上のコストを想定しておく必要があります。
●情報の正確性と出典の明記が重要元となるデータが不正確だと、企業の信頼を大きく損なう可能性があります。特に統計データを使いたい場合は、信頼できる情報源からの引用であることを明確にしましょう。
●デザインによっては逆に分かりにくくなるインフォグラフィックの最も重要な目的は「分かりやすさ」です。過度な装飾や複雑な演出は、かえって情報の伝達を妨げることがあります。
【目的別】インフォグラフィック動画の活用シーン
インフォグラフィック動画は、企業のさまざまな部門で、多様な目的のために活用されています。ここでは代表的な活用シーンをご紹介します。
- マーケティング・広報: サービス・商品紹介、企業紹介、調査レポートの公開など
- 営業活動: 提案資料やプレゼンテーションでの活用
- IR(投資家向け広報): 決算報告や事業計画の説明
- 社内教育・研修: 複雑な業務フローのマニュアル化
インフォグラフィック動画制作の完全ガイド|5つのステップ
実際にインフォグラフィック動画を制作するための、基本的な5つのステップと成功させるコツを解説します。
1. 目的とターゲット(KPI)を明確にする
最も重要なステップの一つです。なぜ作るのか(目的)、誰に見てほしいのか(ターゲット)、成果を何で測るのか(KPI)を具体的に言語化し、関係者全員で共有することが成功のコツです。
2. 伝えたいメッセージと構成(ストーリー)を練る
ステップ1で定めた目的を達成するために、どのような物語を語るかを考えます。視聴者の共感を得やすいストーリーに落とし込むのがポイントです。
3. データ収集と情報の整理・精査
メッセージを裏付けるデータを収集します。情報量が多すぎると分かりにくくなるため、最も伝えたいメッセージを強調できるよう情報を絞り込むことが重要です。
4. デザインとアニメーション制作
ここからがビジュアル化の工程です。動画全体のデザインの方向性を決め、グラフィック素材を制作し、動きをつけていきます。
5. ナレーションとBGMの選定・収録
動画の品質を大きく左右する音の工程です。ナレーションやBGMといった演出で、動画の世界観を作り上げます。
内製か外注か?制作方法の選び方
動画制作を進めるにあたり、「内製」か「外注」かという選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社の状況に合った方法を選びましょう。
内製(自社制作)のメリット・デメリット
- メリット: コストを抑えられる、スピーディな修正対応、ノウハウの蓄積
- デメリット: 専門スキルが必要、クオリティの限界、時間がかかる
外注(制作会社への依頼)のメリット・デメリット
- メリット: 高品質な動画が期待できる、戦略的な提案、社内リソースの節約
- デメリット: コストがかかる、コミュニケーションコストの発生
失敗しない!インフォグラフィック動画制作会社の選び方
外注を決めた場合、次に重要になるのが「どの制作会社に依頼するか」です。最適なパートナーを選ぶための5つのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 実績とポートフォリオを確認する最も重要なチェックポイントの一つです。その会社のWebサイトで過去の制作実績を確認し、自社のイメージと合っているかなどを吟味します。
- ヒアリングと提案力があるか優れた制作会社は、共に課題解決を目指すビジネスパートナーです。こちらの要望を深く掘り下げ、専門家の視点からプラスアルファの提案をしてくれる会社を選びましょう。
- マーケティング視点を持っているか「お洒落な動画を作れる」ことと、「成果の出る動画を作れる」ことは同義ではありません。ビジネスの成果にコミットしてくれる会社を選ぶことが望ましいです。
- 料金体系が明確か見積もりの内訳が明確で、誠実な料金体系の会社は信頼できる傾向にあります。
- コミュニケーションが円滑か動画制作は、担当者と密にコミュニケーションを取る関連作業が多いため、ストレスなくやり取りできる相手かどうかが重要な点になります。
気になるインフォグラフィック動画の費用相場の目安
制作会社に依頼する場合の費用は、動画の尺やクオリティ、イラストの有無などによって大きく変わります。あくまで国内の一般的な制作会社に依頼した場合の目安としては以下の通りです。(内容によって金額は変わります)
- 〜30万円: 主にテンプレートなどを使い、SNS広告向けの短い動画制作が中心。
- 30万円~100万円: オリジナル要素を加えた汎用的なオーダーメイド動画。さまざまな用途に対応可能。
- 100万円~: 企業ブランディングに活用できる高品質なフルオーダーメイド動画。
※海外の制作会社やクラウドソーシングなどを利用する場合、さらに低予算で制作できるケースもあります。複数の会社から相見積もりを取って比較することをおすすめします。
次は、貴社の課題を解決する番です。
いかがでしたでしょうか。ここでご紹介した事例は、私たちが手掛けてきたプロジェクトのほんの一例に過ぎません。
株式会社ジムの強みは、単にデザイン性が高い動画を作るだけではない点です。お客様のビジネス課題を深くヒアリングし、マーケティング戦略全体を見据えた上で、「成果を出す」ための最適な動画活用法を企画・提案いたします。
「自社の商品も、もっと分かりやすく伝えられないだろうか?」
「うちのデータを使えば、面白いコンテンツが作れるかもしれない」
少しでもそのように感じていただけましたら、ぜひ一度、気軽に私たちに貴社の課題やお考えをお聞かせください。専門のコンサルタントが、貴社に最適なインフォグラフィック動画の活用法を無料でご提案させていただきます。
まとめ
本記事では、企業のマーケティング担当者様に向けて、インフォグラフィック動画の全てを網羅的に解説してきました。
情報が溢れ、人々の可処分時間の奪い合いが激化する現代において、いかに短時間で、分かりやすく、記憶に残る形でメッセージを伝えられるかが、マーケティング成功の鍵を握っています。
インフォグラフィック動画は、その強力な答えとなる表現手法の一つです。この記事が、貴社の課題解決の一助となれば幸いです。
もし、インフォグラフィック動画の制作や活用について具体的なご相談がありましたら、いつでも私たち株式会社ジムへお声がけください。貴社のビジネスを新たなステージへと進める一本を、共に制作できることを楽しみにしております。