コラム

飲食店メニューは“見せ方”で差がつく!売り上げUP・印象に残る工夫

飲食店のメニューは、お客様が最初に手に取り、じっくり目を通す大切なコミュニケーションツールです。ただの「お品書き」としてではなく、料理の魅力を最大限に伝える販促物として活用することで、売上やリピート率の向上に直結します。

本記事では、店内メニューの役割や工夫のポイント、Web掲載やインバウンド対応の重要性まで、飲食店における“メニューづくり”の視点を解説します。

すぐに実践できるメニューづくりのヒントが詰まった内容です。メニューの改善で集客力を高めたい飲食店経営者さまや店舗担当者さまは、ぜひ参考にしてください。

飲食店のメニューはお客様に一番見てもらえるもの

飲食店におけるメニュー表は、「注文のためのツール」であると同時に、店内で最も目に触れる重要な情報発信ツールでもあります。

内容やデザインを自由に調整できるため、商品の魅力やお店のこだわりを直接的に伝えられます。

SNSアカウントやWebサイトのQRコードを掲載すれば、来店後の接点も生まれ、継続的な集客につなげることも可能です。

単なる料理名と価格の羅列では、メニューの可能性を活かしきれません。お客様の視点に立ち、魅力がしっかり伝わるメニュー設計にすることが、売上アップへの第一歩となります。

飲食店はメニューで売り上げが変わる?

メニューの構成や見せ方ひとつで売れ筋の商品が変わり、客単価や注文数にも大きな影響を与えます。写真やキャッチコピーで「おいしそう」「食べてみたい」と思わせることができれば、注文率を高めることが可能です。

また、次回来店を促す季節メニューやSNSへの導線を設けることで、リピート率の向上にもつながります。お店として「売りたい商品」と「出数を抑えたい商品」をコントロールできるのも、メニューの大きな役割です。

戦略的に設計されたメニューは、店舗経営を支える重要なツールとなります。

メニューで売り上げUP・印象に残る|6つの作成ポイント

お客様に選ばれ、印象に残るメニューをつくるためには、見た目のデザインだけでなく「伝え方」の工夫も欠かせません。

ここでは、注文率や再来店につながるメニュー作成のポイントとして、次の6つを紹介します。

  • イメージが湧く料理の写真をふんだんに使う
  • 食べたいと思わせる料理の特徴を文章で添える
  • 季節料理のメニューは通常メニューとは別に作る
  • 定番・推したい料理の配置場所は左上にする
  • 品目が多いお店はカテゴリー別に分ける
  • つい食べたくなるシズル感のあるキャッチコピーをつける

ちょっとした工夫の積み重ねが、売上に大きな差を生み出します。それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

イメージが湧く料理の写真をふんだんに使う

料理の魅力を視覚的に伝える写真は、メニューに欠かせない要素です。おいしそうな見た目は「これを食べてみたい」と思わせるきっかけになり、注文数の増加に直結します。

また、写真があることで料理内容のイメージが湧きやすくなり、「次はこれを頼んでみよう」といった再来店の動機づけにもつながります。

できるだけ多くのメニューに写真を掲載し、視覚から訴求する工夫を取り入れましょう。

食べたいと思わせる料理の特徴を文章で添える

料理名だけでは、内容が伝わりにくい場合があります。極端な例えにはなりますが「チャバプチッチプレート」「カチョエペペ」と書かれていても、知らない人には何の料理かわかりません。

カチョエペペの場合だったら「パルメザンチーズの香りを楽しめる、シンプルなチーズと胡椒のパスタ」といった説明を添えることで、味のイメージを想起しやすくなり、注文意欲も高まります。

料理の特徴を言葉で補足することは、写真だけでは伝えきれない“味の魅力”を伝えるための重要な手段です。

季節料理のメニューは通常メニューとは別に作る

季節限定メニューは、グランドメニューとは分けて「差し込み」や「別紙」として用意するのが効果的です。

季節感を演出できるだけでなく、お店が常に新しい取り組みをしている印象を与えられ、再来店のきっかけにもつながります。「今しか食べられない」特別感も演出しやすく、SNSや口コミで話題になりやすいのもメリットです。

視覚的にも目立つようなデザインで、季節商品を積極的にアピールしましょう。

定番・推したい料理の配置場所は左上にする

メニュー表のレイアウトでは、お客様の視線の動きを意識することが重要です。人の視線は左上から右下に向かう傾向があるため、最も注目されやすい左上のスペースに「定番料理」や「売りたいメニュー」を配置すると、自然と目に留まりやすくなります。

この視線の動きは「Zの法則」と呼ばれており、Zの法則を活かした配置は、心理的な効果に基づく基本的なテクニックです。

限られたスペースの中で主力商品を的確に訴求するには、「いちばん売りたい料理」を左上に配置するなど、視線の流れを踏まえた配置を心がけましょう。

品目が多いお店はカテゴリー別に分ける

メニューの品数が多い店舗では、カテゴリー分けが欠かせません。「前菜」「揚げ物」「麺類」「デザート」など料理のジャンルごとにグループ化することで、目的の料理を探しやすくなり、見やすさが格段に向上するためです。

また、ファミリー層が多い店舗では「お子さまメニュー」だけをまとめたページやコーナーを設けると、親子で選びやすくなります。料理の写真を大きくしたり、辛味やアレルギーの有無を明記したりすることで、保護者が安心して選べる工夫にもなります。

構造的に整理されたメニューは、読みやすく、選びやすくなり、結果として注文数の向上に期待できるでしょう。

つい食べたくなるシズル感のあるキャッチコピーをつける

キャッチコピーは、料理の魅力を一瞬で伝えるための強力なツールです。なかでも「シズル感」とは、焼きたての音や香り、湯気、ジュワっと広がる肉汁など、食べ物の“おいしさを五感で想像させる感覚”のことを指します。

「とろ〜りチーズがあふれる」「香ばしく焼き上げた皮のパリパリ感」など、味・香り・食感を想像させる表現を添えることで、写真だけでは伝わらない魅力が伝わります。

特におすすめメニューや季節限定メニューには、お店ならではの一言を加えると、お客様の印象にも残りやすくなるでしょう。視覚と文章の両方から食欲を刺激することは、料理に対する興味や期待感を高め、注文される確率をぐっと向上させることに期待できます。

視覚で惹きつける飲食店のメニュー|3つのデザインの工夫

メニューの見やすさや印象は、内容だけでなくデザインによっても大きく左右されます。情報の伝え方や視線の誘導を工夫することで、料理の魅力をより効果的に伝えることが可能です。

ここでは、お客様がスムーズに料理を選べるようにするための「デザインの工夫」を、3つ紹介します。

  • 動きのあるデザインで目が滑らないようにする
  • 情報を詰め込みすぎない構成にする
  • お店のコンセプトに沿った色彩やフォントを選択する

それぞれのポイントを見ていきましょう。

動きのあるデザインで目が滑らないようにする

メニューの中で視線が迷わずスムーズに情報を読み取ってもらうには、“視線の流れ”にリズムをつけることが大切です。文字や写真のサイズに強弱をつけたり、余白の配置に変化をもたせたりすると、情報が自然と目に入ってきやすくなります。

整然と情報が並んでいるメニューは見やすい反面、視点の引っかかりが少なく、目が流れてしまうこともあります。

適度なリズムやアクセントを加えることで、料理ごとの魅力がより伝わりやすくなり、注文につながりやすくなるでしょう。

情報を詰め込みすぎない構成にする

メニューに多くの情報を盛り込みすぎると、かえって見づらくなり、お客様が内容を把握しにくくなってしまいます。料理名・価格・説明文・写真などをバランスよく配置し、余白をしっかり確保することで、読みやすく整理されたメニューが作れます。

伝えたいことが多いときこそ、思い切って情報をそぎ落とすことも必要です。ひと目で伝わるメニューは、注文までの時間短縮やストレスを減らし、お客様に心地よいひとときを提供できるでしょう。

お店のコンセプトに沿った色彩やフォントを選択する

メニューの色使いやフォントは、お店の世界観を表現する大切な要素です。

たとえば高級感を演出したい場合は、深みのある色合いや、品のある明朝体を使うことで、上質で洗練された印象を与えることができます。一方で、カジュアルなお店であれば、明るい色や手書き風のフォントを用いることで、親しみやすさやあたたかみを感じてもらえるでしょう。

店舗の雰囲気とメニューのデザインが調和していると、空間全体に統一感が生まれ、お店がお客様の記憶にも残りやすくなります。

飲食店のメニュー作り方|5つのステップ

魅力的なメニューをつくるには、事前の整理や準備が欠かせません。構成や流れをしっかり考えることで、料理の魅力がより伝わりやすいメニューに仕上がります。

メニュー作成の基本ステップは、次のとおりです。

  • 【ステップ1】お店のメニューをすべて書き出す
  • 【ステップ2】目立たせたいメニューを決める
  • 【ステップ3】レイアウト案を作る
  • 【ステップ4】料理などの写真を撮影する
  • 【ステップ5】メニューのデザインを作る

土台をしっかり整えることで、完成後のメニューの質も大きく変わってきます。それぞれの流れを順に見ていきましょう。

【ステップ1】お店のメニューをすべて書き出す

メニューの構成を整理するため、はじめに現在提供している料理の棚卸しを行いましょう。サラダ・揚げ物・主菜・ご飯ものなど、カテゴリごとに分類して、すべてのメニューを書き出します。

Excelなどで一覧表を作成し、料理名・価格・原価なども記載しておくと、全体の構成や収益性を視覚的に把握しやすくなるためおすすめです。

カテゴリごとのバランスを見直すことで、偏りや無駄にも気づけるため、次のステップである「主力メニューの決定」にも役立ちます。

【ステップ2】目立たせたいメニューを決める

すべての料理を同じように見せてしまうと、どれを選んでよいか迷わせてしまうことがあります。そこで重要なのが「主役となる商品」「主役カテゴリ」「カテゴリ内の主役商品」を明確にすることです。

たとえば「自家製ハンバーグ」が主力メニューであれば、「肉料理」というカテゴリをメニューブックの前半に配置し、その中でも写真やキャッチコピーに工夫を加えハンバーグを大きく目立たせる構成にできるなど、自然と注文につながる導線をつくれます。

【ステップ3】レイアウト案を作る

料理やカテゴリの整理ができたら、次はメニュー全体の構成を考える段階です。文字や写真の配置をあらかじめイメージしながら、手描きでも構わないのでレイアウト案を作成してみましょう。

お客様の視線の流れを意識しながら「どのページに何を載せるか」「どの料理をどのくらいの大きさで見せるか」を決めていきます。主力メニューは左上や中央など、視線が集まりやすい位置に配置するのが効果的です。

また、使用するメニューブックのサイズにも配慮しましょう。一般的にはA4サイズが扱いやすく、写真や文字が見やすい上にテーブル上でも邪魔になりにくいというメリットがあります。

一方、ファミリーレストランのように幅広い年齢層が来店する店舗では、B4サイズを使うことで文字や写真を大きく表示でき、より見やすくなるケースもあります。

完成イメージを具体的に描いておくことで、デザイン作業もスムーズに進めやすくなります。

【ステップ4】料理などの写真を撮影する

写真は、メニューの魅力を伝えるうえで非常に重要な要素です。可能であれば、全メニューを撮影するのが理想ですが、難しい場合は主力メニューや注文してほしい料理だけでも優先的に撮影しましょう。

料理の特徴がわかりやすく伝わるよう、盛り付けや照明にも気を配ることが大切です。

料理の美味しさが伝わる写真があるだけで、注文数が大きく変わることもあります。スマートフォンでも一定のクオリティは出せますが、写真の印象が売上に直結することを考えると、プロのカメラマンに依頼するのも一つの手です。

【ステップ5】メニューのデザインを作る

レイアウト案や写真がそろったら、いよいよメニューのデザイン制作に入ります。手描きのラフをもとに、実際の紙面構成やフォント、配色などを決めていきましょう。

デザイン経験があれば自作も可能ですが、見やすさや印象に大きく関わる工程だからこそ、プロのデザイナーに依頼することも検討するとよいでしょう。視線誘導を意識した構成、料理の魅力が際立つ写真の使い方、コンセプトに合った色やフォントの選定など、専門的な視点から細部まで調整してもらえるため、完成度が格段に高まります。

デザイナーに依頼する際は、レイアウト案を共有しながら打合せを行うことで、意図を正確に伝えることができ、制作もスムーズに進みます。レイアウト設計から一貫して対応してくれる制作会社を選べば、デザインに不慣れな場合でも安心して任せられます。

タッチパネルでのメニューだけでは売り上げが下がる?

人手不足や業務効率化の流れから、紙のメニューを廃止し、タッチパネルに一本化する飲食店も増えています。しかし、タッチパネルのみでは商品の魅力が十分に伝わらず、売り上げが下がるケースも少なくありません。画面上では写真や文字のレイアウトに制限があり、伝えたい情報を柔軟に見せることが難しいためです。

その結果、お客様が無難なメニューを選びやすくなり、注文単価が下がる可能性が考えられます。補足的に料理の魅力を伝えられる紙のメニューやボードなどを併用できれば、商品の価値をしっかり伝えることができ、売上の維持や再来店の促進も期待できるでしょう。

メニューはWebサイトに載せたほうがいい?

来店前にインターネットを使用して「どんな料理があるのか」をチェックするのは、いまや多くの人にとって当たり前の行動です。Webサイトにメニューを掲載しておけば、お店を検討している段階のお客様に対して「行ってみたい」と思わせるきっかけをつくれます。

店内で提供しているメニューと同じ内容で構いません。季節限定メニューや新メニューがある場合は、タイミングを逃さず更新することが大切です。情報の充実したWebサイトは、店舗の信頼感にもつながります。

 

インバウンド需要に備えたメニュー作成も検討しよう

観光地や都市部を中心に、外国人観光客の来店が再び増加しています。メニューに多言語の表記がないと、オーダーに時間がかかったり、スタッフとのやりとりに苦労したりするため、接客の負担が増える原因にもなるでしょう。

また、スタッフの負担が増えるだけでなく、せっかく来店しても、メニューが読めず注文をあきらめてしまうケースも少なくありません。

英語や中国語、韓国語などで料理名や説明を記載し、写真を添えておくと、言葉の壁があってもスムーズに注文しやすくなります。来店チャンスを逃さないためにも、インバウンド対応は早めの準備が重要です。

飲食店メニューの制作事例

デザイン会社GYMでは、実際にさまざまな業態の飲食店メニューを制作してきました。

こだわりの手作り料理を伝えるために写真のトーンを統一したり、カジュアルな店舗では手描き風のフォントや余白を活かしたデザインで親しみやすさを表現したりと、店舗ごとの個性やターゲットに合わせた工夫を行っています。

実績「九州自慢」


実績「白木屋」

実績「コロワイドグループ」

実績「じねんじょ庵」



飲食店メニューなどグラフィックの制作実績はこちら ▶︎

メニューの位置づけや用途(グランドメニュー、季節メニュー、テイクアウト用など)に応じて、紙面構成や言葉選びにも丁寧に配慮しています。

デザインとコピーの両面から、お店の魅力をしっかりと伝えるメニューづくりが可能です。

飲食店のメニューデザインはGYMにおまかせください!

GYMでは、メニューの構成やレイアウトはもちろん、キャッチコピーや料理説明文のライティング、さらには写真撮影まで一貫して対応可能です。

デザイナー・ライター・カメラマンがチームで連携し、紙・Webの両方に対応したメニュー制作をトータルでサポートします。飲食店の魅力を視覚と言葉で丁寧に伝えるメニューづくりなら、ぜひデザイン会社ジムにおまかせください。

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