ホームページの社長挨拶だけ熱い問題|中小企業サイトの改善ポイント
目次
中小企業のホームページでは、社長挨拶には創業の想いや仕事へのこだわりが書かれている一方、ほかのページでは会社らしさが十分に伝わっていないことがあります。「社長挨拶だけ、熱量が高い」という状態です。
社長挨拶が熱いのは、悪いことではありません。むしろ、会社の魅力が集まっていると考えられます。
本記事では、社長挨拶に込められた言葉を読み解き、トップページや事業紹介、採用情報などへ展開する考え方を紹介します。
「社長挨拶を読んだときは魅力を感じたのに、ほかのページではその会社らしさがあまり見えてこない」という状態を脱して、企業の魅力をホームページ全体で伝えられる状態へ整えていきましょう。
なぜ中小企業のホームページは「社長挨拶だけ熱い」のか
中小企業のホームページを見たときに「社長挨拶だけ、熱量が高いな」と感じられることが多くあります。
「社長挨拶だけ熱い」となりやすいのは、そもそもページごとで役割が違うからです。
社長挨拶では、創業の想いや仕事へのこだわり、お客様への考え方、社員への期待など、代表者の「気持ち」や「価値観」を書くことが多くなります。
一方で、トップページや事業紹介、会社概要、採用情報などは、サービス内容や会社情報、募集条件といった「情報」や「事実」を伝えるページです。
そのため、社長挨拶には「なぜこの仕事をしているのか」「何を大切にしているのか」といった会社らしさが表れやすい一方、ほかのページでは必要な情報を中心に伝えることで、ページ間に温度差が生まれやすくなります。
ホームページで「社長挨拶だけ熱い」と、どんなことが起こる?

ホームページを訪れた人が、必ず社長挨拶まで読むとは限りません。トップページや事業紹介、採用情報などを見て、その会社について判断することもあります。
そのとき、ほかのページが「何をしている会社か」「どんな条件で働けるか」といった情報や事実の説明だけにとどまっていると、会社の考え方や仕事への姿勢までは伝わりにくくなります。
以下のような印象につながることもあるでしょう。
- ・事業内容はわかるけれど、他社との違いが見えにくい
- ・実績はあるけれど、なぜ選ばれているのかわからない
- ・募集条件はわかるけれど、どんな会社なのかイメージしにくい
社長挨拶に熱量があることは、むしろ会社の強みです。創業時の思いや仕事への姿勢、価値観など、その会社らしさが具体的な言葉で表現されているからです。
社長挨拶に表れている会社の魅力をほかのページにも活かすことで、何をしている会社なのかだけでなく「どんな考えを持ち、どのような思いをもっている会社なのか」まで伝えやすくなります。
ホームページの社長挨拶には何を書く?会社の価値を見つける5つの視点

社長挨拶には、創業の背景や仕事へのこだわり、お客様への考え方、社員への想いなどを盛り込むことで、その会社らしさを伝えやすくなります。
こうした内容は、社長挨拶を書くための材料になるだけではありません。
一つひとつ掘り下げていくと、事業紹介や採用情報、トップページなどで伝えるべき会社の価値も見えてきます。
創業の背景や事業を始めた理由
会社を立ち上げたきっかけや、なぜその事業を始めたのかは、社長挨拶に盛り込みたい内容の一つです。
単に「〇年に創業しました」と沿革を紹介するだけでなく、「どのような課題を感じていたのか」「何を実現したくて事業を始めたのか」まで掘り下げてみましょう。
創業の背景から、現在まで変わらず大切にしている考え方や、会社の原点が見えてくることがあります。
創業以来、大切にしてきた考え方
会社を続けるなかで、どのような考え方を大切にしてきたのかも社長挨拶で伝えたい内容です。
「難しい相談でもまず話を聞く」「売って終わりにしない」「約束した納期を守る」など、社内では当たり前になっていることもあるでしょう。
こうした日々の判断や行動を振り返ると、その会社ならではの価値観が見えてきます。企業理念やブランドメッセージを考える材料にもなります。
お客様との向き合い方
「お客様を大切にしています」「信頼関係を大切にしています」だけでは、会社ごとの違いは伝わりにくいものです。
そこで、相談を受けたときにどのように対応しているのか、要望に対してどこまで考えて提案するのかなど、実際の行動まで掘り下げます。
お客様との向き合い方を具体的に言葉にできれば、社長挨拶だけでなく、事業紹介で伝える「選ばれる理由」にもつなげることができます。
仕事や品質へのこだわり
仕事をするうえで譲れないことや、品質を守るために続けていることも、その会社らしさが表れやすい部分です。
「なぜその工程に手間をかけるのか」「効率だけを考えれば省けるのに、あえて続けていることはないか」と考えてみるとよいでしょう。
社長にとっては当たり前の仕事の進め方でも、顧客から見れば他社との違いや強みになることがあります。事業紹介や実績紹介にも展開しやすい情報です。
社員への想いとこれから目指す会社像
社長挨拶では、お客様や事業だけでなく、社員への想いや会社の将来についても伝えられます。
「どのような人に育ってほしいのか」「働きやすい環境を作るには」「これから目指す会社像」などを言葉にしてみましょう。
こうした内容は、現在の社員へのメッセージになるだけでなく、求職者が会社の考え方を知る手がかりにもなります。採用メッセージや企業ビジョンにも展開できるでしょう。
社長の言葉を、ホームページ全体へ展開させることが大切
社長挨拶を見直すと、創業の背景や仕事へのこだわり、お客様との向き合い方、社員への想いなど、会社らしさを表す情報が見えてきます。
ただし、本記事内の〈ホームページで「社長挨拶だけ熱い」と、どんなことが起こる?〉でもお伝えしたように、社長挨拶の文章だけを整えても、その魅力がホームページ全体に伝わるわけではありません。
大切なのは、社長の挨拶から、以下の情報を整理し、それぞれの内容にあったページへ展開することです。
- ・顧客とどのように向き合っているのか
- ・なぜ選ばれているのか
- ・どのような姿勢で仕事をしているのか
- ・どんな社員を育てたいのか
- ・これからどんな会社を目指しているのか
各ページへ展開する際も、社長挨拶の文章をそのままコピーするのではありません。
顧客には「この会社に依頼するメリット」が伝わる言葉へ、求職者には「この会社でどう働けるのか」が伝わる言葉など、各ページへの訪問者に伝わる言葉へと置き換えていきます。
次の章では、実際に一つの社長挨拶から、トップページや事業紹介、実績紹介、採用情報へどのように展開できるのかを見ていきましょう。
社長挨拶の言葉をホームページ全体へ展開する改善例
ここでは、架空の金属加工会社を例に、社長挨拶に込められた想いをホームページ全体へどう展開できるのかを考えてみます。
地域で長く事業を続けてきたその会社で、社長挨拶に次のようなメッセージが掲載されていたとします。
【Before】会社の魅力が社長挨拶に集まっている
当社は創業以来、お客様との信頼関係を何よりも大切にしてきました。
私たちの仕事は、図面どおりに製品をつくって納めれば終わりではありません。お客様が何に困っているのか、その製品をどのように使うのかまで考え、ときには図面にない部分まで提案することが私たちの仕事だと考えています。
短納期や難しい加工のご相談をいただくこともあります。すべてにお応えできるわけではありません。ですが「まず相談してみよう」と思っていただける会社でありたい。そのために、現場の技術だけでなく、お客様との対話を大切にしてきました。
また、こうした仕事の姿勢を次の世代へ受け継いでいくことも、これからの当社にとって重要だと考えています。若い社員が技術を身につけ、自分で考え、お客様に提案できる会社をつくっていきたいと思っています。
社長挨拶として読むと、会社の考え方や人柄がよく伝わります。
ところが、ほかのページを見ると、以下のような状態だったらどうでしょうか。
- ①トップページには「高品質な製品を提供します」
- ②事業紹介には「金属部品の設計・加工に対応」
- ③実績紹介には製品写真と製品名だけ
- ④採用ページには給与や勤務時間などの募集要項だけ
社長挨拶には会社を選ぶ理由になりそうな情報がいくつもあるのに、ほかのページではほとんど使われていません。
もったいないですよね。
では、社長挨拶に表れている会社の魅力は、ホームページのどこへ、どのように展開できるのでしょうか。
まずは、社長挨拶から拾える情報と、各ページへの展開の方向性を整理してみます。
| 社長挨拶から拾う情報 | 展開の方向性 | |
| トップページ | 会社として最も大切にする考え | 会社を象徴するメッセージにする |
| 事業紹介 | 仕事へのこだわり顧客への約束 | 選ばれる理由や仕事の進め方にする |
| 実績紹介 | 仕事への向き合い方 | 課題・提案・結果まで見せる |
| 採用情報 | 社員への想い・未来像 | 採用メッセージや求める人物像にする |
先ほどの社長挨拶を読み解くと、単に「信頼を大切にしている会社」というだけではないことがわかります。
たとえば、次のような特徴が見えてきます。
- ・図面どおりにつくるだけでなく、用途や課題まで考えて提案する
- ・難しい相談でも、まず話を聞く姿勢を大切にしている
- ・技術力だけでなく、顧客との対話を仕事の一部と考えている
- ・社員にも、自分で考えて提案できる力を身につけてほしいと考えている
- ・長年培ってきた仕事の姿勢を次世代へ引き継ごうとしている
ここまで整理すると、ホームページで伝えられる情報は一気に増えます。
重要なのは、社長挨拶の文章をそのまま別のページへコピーすることではありません。社長が語っている価値を、それぞれのページを見る人に伝わる情報へ翻訳することです。
afterの具体的な例を見ていきましょう。
【after】社長挨拶は、各ページへこのように配分する
①トップページ:「どんな会社なのか」を一言で伝える
社長挨拶を長く掲載するのではなく、会社を象徴する考え方へ凝縮します。
たとえば、以下のようなメッセージを置きます。
「つくる前に、まず聞く。」
さらにサブコピーとして、以下のような文章を配置します。
図面どおりにつくるだけではなく、用途や課題まで理解することから私たちの仕事は始まります。加工方法や納期についても、お客様と一緒に考えながらよりよい方法をご提案します。
このように続ければ、「高品質な製品を提供します」だけでは見えなかった会社の特徴を伝えられますね。
社長が長く語っていた「対話を大切にする」という考えを、トップページでは会社の第一印象になる言葉へ変換しています。

②事業紹介:「何ができるか」だけでなく「どう仕事をするか」を伝える
事業紹介では、加工設備や対応範囲を紹介するだけではなく、仕事の進め方にも社長の考えを反映できます。
たとえば、以下のような形です。
ご相談内容を確認
用途や必要な精度、納期などを確認します。
加工方法をご提案
図面をもとに、加工方法や素材について別の選択肢をご提案する場合もあります。
製造・品質確認
求められる品質に合わせて製造・確認を行います。
「お客様との対話を大切にしています」という抽象的な言葉を、実際の仕事の流れとして見せることで、顧客にとってのメリットが理解しやすくなります。

③実績紹介:製品だけではなく「仕事ぶり」まで見せる
製品写真と名称だけだった実績紹介も、課題と提案のプロセスまで紹介する形に変えられます。
ご相談
既存の加工方法では希望納期に間に合わないという相談を受けた。
課題
必要な精度を保ちながら、加工工程を短縮する必要があった。
提案
用途を確認したうえで加工工程を見直し、別の方法を提案した。
結果
求められる条件に合わせた形で納品まで進められた。
このように変更できれば、実績ページは単なる「つくったものの一覧」ではなく、「この会社は相談したときに、どのように考えてくれるのか」を伝えられるコンテンツになります。

④採用ページ:「どんな人に育ってほしいか」を伝える
社長挨拶にあった「若い社員が技術を身につけ、自分で考え、お客様に提案できる会社にしたい」という言葉は、採用ページにも展開できます。
採用ページのキャッチコピーとして、たとえば以下のようなメッセージを置きます。
「技術だけでなく、考える力も身につける。」
さらにサブコピーとして、以下のような文章を配置します。
当社が目指しているのは、言われたものをそのままつくるだけの技術者ではありません。お客様の話を聞き、何が必要なのかを考え、自分なりの提案ができる人を育てていきたいと考えています。
このようにすれば、仕事に対する会社の考え方や、働く人にどのように成長して欲しいかが求職者に伝わりやすくなります。
社長が社員に期待していることを、求職者が「この会社でどのように成長できるのか」という視点へ翻訳した形です。

社長挨拶の見直しと同時にホームページ全体の改善は必要?
必ずしも、社長挨拶の見直しと同時に、ホームページ全体の改善が必要とは限りません。しかし、各ページに会社の想いや価値観が十分に展開されていない場合には、ホームページ全体の改善が必要になるといえるでしょう。
まず考えたいのは、社長挨拶が熱すぎるのか、それともほかのページで会社の魅力を伝えきれていないのではないかという点です。
社長挨拶の熱量を抑えてほかのページに合わせれば、ホームページ全体のトーンは揃うかもしれません。しかし、それではせっかく言葉になっていた会社らしさまで薄めてしまう可能性があります。
社長挨拶自体が長すぎたり、現在の事業内容や方針と合わなくなっていたりする場合には、そのページを見直す必要があるでしょう。
一方で、社長挨拶には会社らしさが十分に表れているのであれば、そこを起点にトップページや事業紹介、実績紹介、採用情報などへ内容を展開するほうが適しているかもしれません。
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社長の挨拶は、中小企業のホームページ改善のヒントになる
社長挨拶には、創業の想いや仕事へのこだわり、お客様との向き合い方など、その会社らしさが表れやすいものです。だからこそ、社長挨拶を読み解くことは、ホームページ全体で何を伝えるべきかを考えるヒントになります。
社長の想い、ホームページ全体で伝わる形にしませんか?
株式会社ジムでは、社長や担当者へのヒアリングを通じて会社の強みや大切にしている考え方を整理し、ホームページ全体で伝わる形へ落とし込むお手伝いをしています。
たとえば、次のようなご相談が可能です。
・社長や経営層へのヒアリングをもとに、会社の強みや「らしさ」を整理する
・トップページや事業紹介、採用情報など、各ページで伝える内容を見直す
・会社の魅力が伝わるコピーや文章へ整える
・現在の事業や会社の雰囲気に合わせて、サイト全体のデザインを見直す
・リブランディングのワークショップを通じて、会社として伝えていく価値や方向性を整理する
・Webサイトだけでなく、会社案内や採用ツールなどにも一貫したメッセージを展開する
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